プロテインは現在、売り上げが驚異的に、そして世界的な規模で伸びています。日本においても、海外から大きなプロテインの企業が進出するなど、一昔前に比べれば普及がかなり進んでいます。
とはいえ、日本国内では、まだプロテインを飲んでいる人は全国民の数%くらいに過ぎません。アスリートが飲むもの、ムキムキのゴリマッチョになりたい人が飲むもの、などという印象がまだまだ強いのでしょう。
しかし、身体作りにおいて、そしてもちろんダイエットにおいても、プロテインは有用なのです。プロテインはタンパク質に特化した補助食品なので、不足しがちなタンパク質を補うことができます。
もくじ
プロテインとは
プロテインとはタンパク質加工食品です。正しくはプロテインパウダーといいます(なお、当サイトにおける「プロテイン」はプロテインパウダーを指すこととします。)。英語でプロテイン(protein)は「タンパク質」を指すため、市販で売られているプロテインパウダーは「タンパク質の粉」という意味になります。実際その通りで、薬ではなくただのタンパク質の粉(補助食品)です。ただし、最近のプロテインは飲みやすくするために糖質や脂質も入っていることが多いです。
タンパク質は1日あたり、基本は体重1kgに対して1g(高齢者は1.1g)、スポーツやトレーニングをしている人は、その1.5倍~2.5倍を目安に摂るべきとされています。これを食事だけで補うのは意外に難しいです。タンパク質は積極的に摂取しようとしないと、かなりの確率で不足してしまう栄養素です。そんな中、プロテインはタンパク質を安く、気軽に、そして素早く吸収できる理想的な食品なので、実は積極的に飲むべきなのです。
プロテインについてよくある誤解
プロテインの詳しい説明に移る前にまずは、よくあるプロテインについての誤解を解いておきましょう。
アスリートやマッチョになりたい人のみが飲むべき?
プロテインは、食事で不足しているタンパク質を補助的に摂取するための食品です。なので、食事でタンパク質が不足しがちな人は誰でも飲むべきです。逆にアスリートなどであっても、食事で十分にタンパク質が摂取できている場合はプロテインを飲む必要はありません。
飲むだけでムキムキになってしまう?
プロテインを飲むだけでムキムキになることはありません。プロテインは薬ではなく、ただの食品です。タンパク質の粉なので、筋肉を維持、あるいは増強したい場合には必ず運動(筋トレ等)が必要になります。
子どもに飲ませてはいけない?
ただのタンパク質の粉なので、子どもも大人も関係なく飲むことができます。というより、むしろ子どもの方がタンパク質が不足しがちなので、飲むべきなのです。タンパク質は、筋肉だけでなく、臓器、皮膚、骨、血液、髪の毛、体毛、爪、ホルモンや免疫物質などあらゆる部分の原料となっています。つまり、子どもが健康的に大きくなるためにはタンパク質が必須なのです。それにも関わらず、現代は糖質や脂質が多い食事やお菓子で溢れており、タンパク質がとにかく不足しがちです。このような環境で育つと、子どもは十分なタンパク質が摂取できず、身体の成長を阻害してしまいます。
ちなみに、骨の2割はタンパク質でできているため、骨が弱くなりがちな高齢者もより多くのタンパク質が必要となります。なので高齢者の方も積極的にプロテインは飲みたいものです。
プロテインは美味しくない?
昔のプロテインは不味かったらしいです(おからの余ったものを粉状にして売っていたとか)。今は製造メーカーもかなり工夫をしていて、人工甘味料等でおいしく飲めるようになっています。
プロテインの成分
プロテインの主成分はもちろんタンパク質の粉になるわけですが、このタンパク質は大豆由来のもの(ソイ)と牛乳由来のもの(ホエイ、カゼイン)の2つが主流となっています。この主成分に、溶けやすくする乳化剤、泡立ちを抑える消泡剤、そして甘味料や香料を加えてプロテインは作られています。
(主成分の特徴)
大豆由来のもの | 牛乳由来のもの | |
ソイ | ホエイ | カゼイン |
吸収速度は遅いが、イソフラボンや不飽和脂肪酸が含まれており、コレステロールの低下や、抗酸化作用など健康効果が望める | 吸収速度が早く、運動前後にお勧め | 吸収速度は遅いが、長時間作用するため、空腹の時や寝る前に飲むのがお勧め |
主成分はどちらがいい、悪いではなく、用途にあったものを選べば良いですが、吸収の早さから現在の主流はホエイとなっています。大体商品名とかに「ホエイプロテイン」とか書いてあるので、主成分がどれかは判別しやすいと思います。
プロテインのメリット
プロテインは、特に以下の点が優れています。
プロテインのメリット
- 脂肪分が少ないので、余分なカロリーをとらず、タンパク質を摂取できる
- 水で溶かして飲むだけなので手軽
- タンパク質1gあたりの価格が、肉や魚よりも安い
- 消化がよく、吸収も速い。胃腸や内臓への負担が少ない
- アミノ酸スコアが100で、良質なタンパク質である
ちなみに、タンパク質には窒素が含まれており、それを腎臓が尿素に変えて排出しているため、食事でタンパク質を過剰にとると、腎臓や肝臓に負担がかかると言われています。しかし、プロテインを過剰摂取したときの健康被害についてはまだ報告がないそうです。そういう意味でも、プロテインは安心して摂取できる食品なのです。
プロテインを飲むべきタイミング
運動前、運動中、運動後
食物は消化され吸収されるのに3時間くらいかかるのに対し、プロテインは1時間ほどで吸収がはじまります。運動中にも筋肉は分解されているので、それに間に合うように運動前に飲んだり、運動を長くやるなら運動中にも飲んでおくと良いです。
また、運動後30分以内は、筋肉の合成が進みやすい(筋肉がつきやすい)状態にあり、ゴールデンタイムと呼ばれています。この時にプロテインが吸収されるように飲んでおくと良いでしょう。
起床時
寝ている時に成長ホルモンが分泌され、細胞の成長や修復が行われますが、その際にタンパク質を使っています。減った分のタンパク質を朝食で補充してあげないといけないと、せっかくの筋肉が分解して減ってしまいます。なので朝プロテインは有効です。
十分にタンパク質が摂取できなかった食後
タンパク質は一度に多量にとっても効率が悪く、こまめにとるのが基本となっています。タンパク質は体内に貯蔵できない栄養素なことに加え、体内で一度に処理できるタンパク質量には限界があると言われています。具体的には1食あたり40gほどが限界とされていますので、毎食バランスよくタンパク質が摂れるように、不足してしまった食後にプロテインを飲むと良いでしょう。
プロテインの飲み方
プロテインは、水で溶いて飲むのが基本です。なので、とってもお手軽に飲むことができます。
溶く際に、シェイクできる方が溶けやすいので、シェイカーがおすすめです。でも、普通のコップ等でも全く問題ありません。
なお、お湯で割るのはやめた方がいいです。温度が高いとダマになってしまいます。また、牛乳で溶く人もいますが、カロリーが必要以上に高くなってしまったり、牛乳が消化吸収の邪魔をしてしまうのでこれもおすすめしません。
プロテイン摂取の注意点
カロリーや、糖質、脂質も含まれているので飲み過ぎは禁物
今のプロテインは、飲みやすくするためにいろいろな成分が含まれており、カロリーも1杯あたり100〜200kcal前後あります。なので、いくらタンパク質が必要だからといっても飲み過ぎると肥満につながりますので、注意しましょう。
体質的に合わない人もいる
まれにですが、体質的にプロテインが合わない人もいます。そういう人は無理に摂取せず、食事でタンパク質が摂れるように工夫しましょう。
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おすすめのプロテイン
僕のおすすめは、ビーレジェンドのプロテインです。ビーレジェンドのプロテインは、とにかくジュースのように飲みやすいのが特徴です。また、味の種類も非常に豊富なので、自分の好みにあったプロテインを選択することができます。ガチ勢の人からしたらもしかすると邪道扱いされるかもしれませんが、飲みやすさという点からプロテイン初心者の方にはかなりおすすめです!
ちなみに僕はメロメロメロン味を愛飲しています。メロン+牛乳、のような味になり、試してきた中でもかなり飲みやすいです。
まとめ 身体作りにプロテインを上手く利用しよう
今回の記事をまとめると以下のとおりとなります。
- プロテインは、正しくはプロテインパウダーといい、タンパク質を安く、気軽に、そして素早く吸収できる理想的な食品
- アスリート等のみならず、タンパク質が不足しがちな現代人は老若男女誰でも摂取すべき
- プロテインの主成分のタンパク質の粉は、大豆由来のソイと牛乳由来のホエイ、カゼインがあるが、現在の主流はホエイ
- プロテインは手軽さに加え、内臓に負担をかけにくいことやアミノ酸スコア100であることから優良なタンパク質源である
- 運動前後や起床時、そして食事でタンパク質を十分に摂取できなかった場合に特に飲むべき
- 体質的に合わない人もいるので注意
いまだに、プロテインを飲んでいると言うと、驚かれる雰囲気があります。しかし、これだけ有用な食品を上手く使わない点はありません。今回の記事で、筋トレやダイエットでボディメイクしている人だけでなく、多くの人にプロテインの良さを理解してもらえると嬉しいです。