ダイエットのため、または健康のため、運動を始められる人が多いと思います。そして最近はジムの数もどんどん増えてきているので、意気込んでジムデビューを果たす人もいるでしょう。
しかし、ジムにいくためにウェアや道具もバッチリ準備したのに、何日も続かずやめてしまった・・・という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は運動はダイエットに限らず、健康維持のために運動は本当に大事なものなのです。また、せっかく始めた運動をやめてしまった場合にはいくつかの弊害も出てきます。
もくじ
人の身体は20代から衰え始める
人は、20代から歳を取るごとに体力に関連する指標が少しずつ低下していきます。しかしそれを明確に自覚するのは55歳を超えてからだと言われています。
わかりやすい例として、500円玉貯金を思い浮かべてください。貯金箱に、500円玉を100枚ためているとします。
これを1年に1枚ずつ抜いたとします。2〜3年たって貯金箱を持ち上げても、おそらく気がつきませんよね?
しかし、20〜30年後にはどうでしょう。当初に比べると明らかに軽くなったと大多数の人が思うことでしょう。これと同じようなことが人の身体でも起きています。20代の元気なうちには気付きませんが、少しずつ確実に身体は衰えていっているのです。
落ちやすい筋肉、残りやすい筋肉
特に足腰の衰えには気をつけたいところです。自由に歩けなくなることは一番辛いことではないでしょうか。
皆さんは「髀肉の嘆」(ひにくのたん)と言う故事成語をご存知でしょうか。
功名を立てる機会(自分の実力を発揮する場)がないことを嘆く、という意味になりますが、これはかの有名な三国志において、劉備玄徳(蜀の建国者)が発した言葉が元となっています。
晩年には蜀を建国するまでに軍勢を拡大した劉備でしたが、それまでは非常に苦しい時期を過ごしており、ある時期では同族の劉表のもとに居候をしていました。それまで戦場でバリバリやっていた時に比べてすっかり平和な日常を過ごしていた劉備は、ある日の酒宴において自分の太ももにとんでもなく贅肉がついてしまっているのに気づいて非常に嘆いた、というのがこの故事成語の由来です。
前置きが長くなりましたが、この故事成語からもわかるように太ももの筋肉(前面、大腿四頭筋)は衰えやすい筋肉です。また、二の腕の筋肉(上腕三頭筋)も意識的に鍛えていないと衰えやすい筋肉になっています。
逆に大腿二頭筋(太ももの裏側の筋肉)や上腕二頭筋(いわゆる力こぶができる場所)はそこまで大きな筋力低下はしないと言われています。
太ももの筋肉は歩行に大きく関わってくる筋肉になりますので、意識的に鍛えて何歳になっても元気に歩き回りたいですね。
その他鍛えたい筋肉
太もも以外で身体を鍛える際には、大きな筋肉から鍛えてあげると効果的です。大きな筋肉はその分代謝量も多いので、基礎代謝の向上が期待できます。
もちろん、鍛えたいところが決まっている場合はそこからやるのも良いと思います。
あとは、インナーマッスルにも気を配ってあげるとベストです。
インナーマッスルは、体の深層部にある細く小さい筋肉で、持久力もある筋肉になります。
姿勢制御に関わる筋肉なので、鍛えるほど姿勢が良くなり、スタイルもよくなっていきます。将来腰が曲がることのないように、インナーマッスルも大事にしたいですね。
その他の運動の効用
直接的に筋力をつけることやダイエットのため以外にも、運動・筋トレには以下のような効用があります。
脳の活性化(記憶力の向上)
運動することで脳の活性化が期待できます。
ある研究では、成人男女が2〜3回のジョギングを行い、ジョギングをしなかった人と比べたところ、記憶力が上がったというものがあります。
当初はどちらも正答率65%程度だったのが、ジョギングをしたグループは95%にまで上昇したと言います。このことから記憶力の向上や脳の活性化という面があることがわかります。
ボケ防止が期待できますね。
骨密度の低下予防と向上
骨密度は年齢が上がるにつれて低下していきますが、運動をすると骨の強化にも貢献することがわかっています。
ウェイトトレーニングを行っている人や柔道やラグビーなどの大きな力を出すスポーツを行っている人は骨密度が高いです。重力に対するストレスが骨にプラスの影響を与えるためです。
ただし、逆に心臓・肺などの呼吸循環器系の能力を高める水泳などではあまり効果が期待できないため、この効果を狙う時には、筋トレ等で負荷をかけるのが良いでしょう。
運動をやめてしまうと・・・
ジムに通い始めたものの、一般的に、約5割(半分も!)の人が1年未満でやめてしまうと言われています。
やめてしまう理由としては、「忙しい、時間がなくなった」が1位、「めんどくさくなった」が2位となっており、結局のところ本人にとって優先度が低くなったことが原因と言えます。
せっかく始めた運動をやめてしまうと、以下のような弊害があります。
心停止のリスク
あるアメリカの調査報告では、運動を習慣的に行っていた人が突然中止してしまうと、心停止になるリスクが3〜6倍になると言う結果が出たといいます。
また、著しく体重が増加した、というケースも3割ほどあったそうです。
これはホルモンバランスの変化や、筋力の低下による基礎代謝の急低下が原因だと言われています。
急にパタンと運動をやめてしまうことは、非常に危険ですので、短い時間でも良いので少しずつでも続けるようにしましょう。
筋肉が鍛える前に戻る-可逆性の原理-
筋トレによって得られた効果は永久には持続しません。これを可逆性の原理と言います。
つまり、トレーニングを中断してしまうとまた元へ戻ってしまうということです。筋肉を維持するためには、トレーニングをずっと続けていく必要があります。
初心者の最初の筋肥大は3ヶ月後くらいに生じると言われていますが、これも個人差があります。実際、僕なんかは結構筋肉がつきやすくて、割と早めに成果が目に見えます。(その代わり、贅肉もつきやすい身体です←)
とにかく、まずは3ヶ月後の自分の身体を楽しみに頑張ってみましょう。
注意点 急に激しすぎる運動はNG
いくら運動が健康に良いとはいえ、急に激しすぎる運動をすることは短命を招くと言われています。
というのも、激しすぎる運動によって、活性酸素(ラジカルフリー)という増えすぎると身体にとって有害な物質が発生するからです。
活性酸素は発がんやがんの転移にも影響を与えますので、無理のない程度に少しずつ運動の強度を上げていきましょう。(概ね3ヶ月スパンで)
まとめ 今でなく未来を見据えて運動しよう!
今回の記事をまとめると以下のとおりとなります。
- 20代の元気なうちには気付かないが、20代から少しずつ確実に身体は衰えていっている
- 下半身の筋肉、特に太ももの筋肉を鍛えよう。続いて、大きな筋肉やインナーマッスルも意識的に鍛えたい。
- 運動すると脳の活性化や骨密度の向上も期待できる
- せっかく始めた運動をやめてしまうと鍛えた筋肉は元に戻り、心停止のリスク等もある
- 急に激しい運動をするのは危険なので、運動強度は少しずつ上げていくようにしよう
運動や筋トレをやめてしまう一番の理由は、すぐに成果が見えづらいことではないかな、と思います。ある程度続けることによって、初めて成果が確認できるからです。
しかし、運動をすることでマイナスなことはほとんどありません。確実に健康増進に一役買っているのです。なので、積極的に行いましょう。
大事なものは失ってからその大事さに気がつくと言いますが、健康は一度害してしまうと取り返しのつかないこともあります。未来の自分への投資だと思って、今日から少しずつ運動を続けてみませんか?